2009年2月8日日曜日

2月9日~減損会計~

 減損会計の学習。米国財務会計基準や国際会計基準などとは結果的にはそん色ない会計処理だが、処理方法としては国際会計基準に近く、その背景の考え方はなんとなく日本的なものがやはり流れている。今後国際会計基準とのすり合わせがさらに重要となるが、日本独特の減損会計は取得原価主義の枠内という「考え方」がはたして国際的に受け入れられるかどうかは一つのポイントになるだろう。だって明らかに低価基準だし、国際会計基準も米国財務会計基準も棚卸資産の期末評価を含めて「低価法の強制適用」という表現をしている。これ、一つには概念フレームワークで日本は独特の収益と費用の「認識」の定義をおいているのが一つの要因と思われる。いろいろ現在も論議をよんでいる「リスクからの解放」(期待の事実への転化)という考え方だが国際会計基準にはそうした収益と費用の「しばり」はない。資産と負債の「価格」が変動した場合にはすぐ収益と費用を認識するので純資産の変動額と貸借対照表における資産と負債の変動額は必ず一致するが、日本だけは「リスクからの解放」という条件が必要となるために、貸借対照表の株主資本の変動額と当期純利益だけは一致するが、それ以外は純資産としての特有の意味をもたないという構図になっている。「日本独自」にこだわりすぎて、かえってわかりにくい概念になっているような気がするし、概念フレームワークや改正棚卸資産会計基準が国際的には「屁理屈」としかおもえない議論で取得原価主義の枠内での処理としているため、財務諸表の注記も得体のしれないものになっている。2011年までには平易な方向での統一化が図られるだろうが、こうした迷走を続けていると低価基準が消滅したとか国際会計には低価法はないとかそうした「本当っぽい嘘」がそのまま真実として流布してしまう可能性が怖い…。

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