2009年4月21日火曜日

4月21日~死海写本~

 世界史関係の書籍を読むのは好きだが、特にこの「死海写本」をめぐる研究者の研究プロセスは興味深い。時にオカルト的な扱いも受ける「死海写本」だが正式な考古学ではこうして丁寧に資料を読解し、さらにこれまで明らかになっている事実と照らし合わせて仮説を構築していくのかと非常に勉強になる。昔のユダヤ教やユダヤ民族、そしてローマ帝国やシリア、エジプトといった大国のハザマで生き延びようとしたユダヤ民族の中に現れたイエス・キリストの存在。直接的にイエス・キリストがどうこうという話ではなく、むしろ原始キリスト教やユダヤ教がどういった組織形態と教義で活動し、そして変化していったのかを知るのには非常に面白いテーマである。現在もまだなおパレスチナ問題は解決の糸口もみつかりそうにないが、政治ではなく案外こうした歴史的文書からいろいろな現在の問題も解決する糸口を見つけることができるのかもしれない。

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