2009年12月9日水曜日

12月9日~3つの流れ~

 3つの流れ(社会階層・性別など)にもとづいて歴史をひもとくという手法の本を通勤時に読んでいる。唯物史観ほど単純ではないものの、いわゆるビッグ・ピクチャーで未来図を描こうという試みだ。社会階層としては武士の時代、商人の時代そして労働者の時代と移動していくと仮定すると、日本は商人の時代をへてまさしくホワイトカラー全盛の労働者の時代に突入している。またアメリカは武士の時代をきわめて短くおえて商人の時代から労働者の時代へ突入した…という読み解き方だ。性別を軸にしてみた場合には原始時代などの女性の時代から男性の時代、そして両性具有の時代へと移り変わり行くという見方をする。これも境界線があやふやになってきた今、男性的なものと女性的なものとが入り混じる時代に突入しつつあり、異論はない。いずれは両性具有の時代となり、そして、精神的・文化的時代に突入するという見方は、デジタルな時代だからこそさらにその勢いを増すものともいえるだろう。「ハイ・コンセプト」で大前研一氏がといた総合的で文化的な発想のできる人材が必要な時代というのと非常に似通っている。そしてこうしたビッグピクチャーのもとにヨーロッパ、東南アジア、北極圏などを軸にしたブロックができあがっていくという仮説。非常に面白い。必ずしもこれが予定調和的で平和的ということではない。むしろこういうブロック化したあいまいな文化の時代こそ大虐殺や得体の知れないテロ事件が多発したりする可能性がある。精神的・文化的時代ってある意味、旧石器時代以上にリスキーで生存競争が激しい時代なのかもしれない。

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