2008年12月15日月曜日

12月14日~ドル安~

 明日からまた市場が開く。先週末はかなりの円高になったが、おそらくFRBの資産内容は住宅関連商品証書やローン債権ばかり。将来の換金性がかなり疑わしい内容になっていると思われ、ドルの信用不安が生まれている以上、円高傾向は続くだろう。輸出産業にとってはかなり頭の痛い話だが、輸入産業(電気関連、石油関連、鉄鋼関連、電力関連企業など)にとっては仕入額が下がるので長期的に見ればワルイコトではない。ただ自動車産業など川下の加工産業にとってはしばらく決算期まで苦しい状況となるので、財務諸表の数値も悪化し、株式価格も上がりにくい材料ばかり。やはり不景気に突入したということだろう。ただ個人的な生活環境をみると、そうした好況・不況の「感じ」がいまひとつリアルに感じられないのも事実。ポリプロピレン製品など石油化学製品の値段が多少値上がりしたときには、「ああ原油価格が上がっているんだな」という実感があったが、好景気といわれていた時代も現在もたいして大きな差異があるようには思えない。数字だけの話で日常生活まで好景気・不景気の波が伝わってこないというのは…それは…自分の「階級階層」があまり「上流ではない」ということかもしれないのだけれど…。

 経済指標が悪くなると「生活を守れ」みたいなスローガンがたくさんでてくるのだが、いまひとつ切迫して聞こえてこないのは、そのすべてが所得階層が「上」の人たちが先導しておっしゃっているケースが多いためかもしれない。既存の政党や労働組合などの「執行部」のスローガンにいまひとつ「リアリティ」が感じられないのは、「そうはいうけどあなた方自身の生活レベルを削ってだれかに配分したり寄付したりまではしないでしょ」という「上から目線」を感じるからかもしれない。事実、共産主義の影響を強く受けた労働組合の台詞には「あなたがたは勉強不足でなにもわかっていないプロレタリアートだけれど、私たちはホンシツをしっかり勉強した前衛的執行部なのだから、私たちのいうことが正しいんですよ」という押し付けがましさがあるような気も。下手な「前衛」や「上流」「勝ち組」などよりも「負け組」という自覚のある人たちのいう台詞のほうが生活実感には少なくとも即しているのは間違いない事実。

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