2008年12月17日水曜日

12月17日~需要と供給のバランス~

 売上高は損益計算書の一番上にあるので「トップライン」ともよばれる。企業のいわば経営成績の一番の指標だが、このトップラインの数字が変化しないで、販売費や一般管理費、製造原価(売上原価)のみが増加した場合、一番下の当期純利益(ボトムライン)は当然減少する。企業の最大のコストは人件費だがもし人件費が増加して売上高が増加しないケースでは、限られた売上高を増加した人間の頭数で割らなければならない。つまり、売上高に直結しない人材投資は設備投資と同じく、給与の削減につながるということだ。
 雇用者を増加させよ…というのは連合などの主張だが、その主張どおりに雇用者数を増加させ、しかし企業の売上高が変化しない場合もしくは減少した場合には、日本型雇用方式の場合には、当然全員平等に賃金が下がるということになる。はたして理念として雇用者を増加させよ、しかし売上高が伸びなくてもベースアップをせよ…という矛盾した主張が実現可能かどうか。おそらく既存の雇用者も含めての賃金カットに応じる覚悟がなければなかなか難しい面がある。逆に言うと、「自分の労働分配率が減少してでも雇用者数を増加させよ」というセットの論理でないと、企業側もなかなか設備投資に踏み切ることができないということになるが…。

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